無線通信基本講座 第5回 [初級編]LTEについて

目次
1. LTE通信の仕組み
第3回目の「長距離無線通信の種類①」ではLTEについて簡単に触れましたが、今回はLTE通信の仕組みについて見てみたいと思います。
一口に通信と言っても、私たちが利用しているスマホなどでのLTE通信は下のような手順を経て通信が行われています。



2.なぜ移動しながら使用できるの?
セル
モバイル通信システムでは、移動しながらでも通信が可能となるようサービスエリアをセル単位に分けて構成するシステムが採用されており、セルを移動しても交信し続けられるようにしています。
各セルに基地局を設置し、ユーザーが他のセルの地域に移動した場合にも位置を把握、追跡して移動先のセルにおいても通信できるようにしています。
このため携帯電話端末のことをセルフォン(Cell Phone)、セルラー(Cellular)と呼んだりもします。

ハンドオーバー
移動しながら通信をする場合には、スマートフォンなどの携帯電話端末やLTE対応ルーター、LTE対応IoT機器などの端末が交信しているセルの基地局から、移動した先のセルの基地局に交信先を切り替える必要があり、この交信先の基地局の切り替えのことをハンドオーバーと呼んでいます。移動中に電波が弱くなると周辺のセルを測定し、より強い信号のセルの基地局に切り替えることでハンドオーバーが行われ、結果として私たちは移動中でも途切れずにLTE通信をすることができます。

3.日本国内のLTE Band使用状況(2025年8月時点)
| Band | 周波数帯 | docomo | au(KDDI) | Softbank | 楽天 |
|---|---|---|---|---|---|
| B1 | 2.0GHz帯 | ○ | ○ | ○ | |
| B3 | 1.7GHz帯 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| B8 | 900MHz帯 | ○ | |||
| B11 | 1.5GHz帯 | ○ | ○ | ||
| B18 | 800MHz帯 | ○ | ○ | ||
| B19 | 800MHz帯 | ○ | |||
| B21 | 1.5GHz帯 | ○ | |||
| B26 | 800MHz帯 | ○ | ○ | ||
| B28 | 700MHz帯 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| B41 | 2.5GHz帯 | ○ | ○ | ||
| B42 | 3.5GHz帯 | ○ | ○ | ○ |
豆知識
- 皆さんもスマホを購入する際に、その端末がどのBandに対応しているのかを確認してみるのも面白いかと思います。
ただ、例えば海外で購入した端末などは、日本の技適(技術基準適合)を取得していない可能性もあるので注意が必要です。
技適を取得しているか確認の上で端末を購入するようにしましょう。 - また、日本の端末を海外で使用できる場合があります。日本では上記のBandしか使用していませんが、使用している端末が海外の現地のBandや、使用する通信キャリアに対応していれば海外でも通信が可能です。
- アジア、欧州は日本と同様にB1・B3が広く使用され、欧州ではB20の比重が大きい地域です。
北米、中南米ではB2・4・5が主に使用されており、地域ごとにその他Bandが使用されています。
4.Starlinkはなぜスマホと直接通信できるの?

- 「Starlink」とはアメリカのSpaceX社が運用している人工衛星で、高度約550kmを周回する低軌道の周回衛星です。
また、LTE通信にはもう一つ、同じSpaceX社の高度約340kmを周回するD2C (Direct to Cell)衛星が使用されます。
なお、気象衛星「ひまわり」などの静止衛星は赤道上空約35,800kmを地球の自転と同じ周期で地球の周りを周回しているため静止衛星と呼ばれており、静止衛星と比較するとStarlinkやD2C衛星が低い高度を周回していることが分かります。 - 従来の衛星電話では、専用の高出力衛星電話機を必要としましたが、Starlink Direct to Cell(スターリンクのスマホ直接通信サービス)では、既存のLTE対応スマホをそのまま使えるように設計されています。
仕組みの概要
通信の流れ
①スマートフォン → ②D2C衛星 → ③Starlink衛星 → ④地上局/コアネットワーク → ⑤インターネット
の流れで構成されています。
LTE規格準拠の基地局をD2C衛星に搭載
D2C衛星には地上LTE基地局と同じeNodeBモジュールが搭載されており、スマートフォンと直接通信するためにLTEプロトコルを使用します。これにより、地上のスマートフォンはD2C衛星を空飛ぶLTE基地局として認識します。
周波数帯は通信キャリアの帯域を利用
スターリンクは、通信キャリアと提携して、その国で認可されたLTE周波数(日本ではBand1 <2GHz帯>)を使用します。
大型アンテナと高度な波形処理
衛星はフェーズドアレイアンテナと呼ばれる大型のアンテナを搭載し、地上のスマートフォンの微弱信号が受信可能となります。また、LTEの遅延(通常の基地局より大きい遅延)を吸収する特殊プロトコルを採用しています。
日本での例(2025年8月末現在)
au(KDDI)がSpaceXと提携し、サービスを開始しています。海洋上や山間部、上空などのLTE、5G不感地帯でのデータ通信が可能となります。
各社の取組
au(KDDI)以外の各社も衛星を利用したサービス展開を予定しており、各社LTE網のカバー率向上が期待されています。
Telit 無線通信モジュール
LTEモジュール製品

Telit Cinterion
LTE,5G,LPWA,Wi-Fi
Telit Cinterion はセルラー(LTE,5G)やLPWA、WiFiなど各種ネットワークに対応するIoTモジュール、IoTプラットフォームなどを製品ポートフォリオとし、クラウド側で動作するアプリケーションやマネジメントツールの提供まで、顧客のIoTサービス展開を一気通貫でサポートする体制を持つことを強みとした提案を行います。








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