無線通信基本講座 第6回[初級編] LPWAについて

LPWAについて

目次

  1. LPWAのおさらい
  2. 無線局と免許
    1.  Licensed系
    2.  UnLicensed系
  3. LPWA詳細
  4. LPWAの利用用途
    1.  スマートメータ
    2.  IoTセンサ
  5. Telit 無線通信モジュール

1. LPWAのおさらい

第3回 長距離無線通信の種類①でもご紹介したとおり、LPWAとは「Low Power Wide Area」の略で、その名のとおり低消費電力で広域の通信が可能であることを表しており、通信規格としての名称ではありません。
特に、通信容量が限定的・高速大容量通信不要で、バッテリー寿命を長くもたせたい、通信料金を抑えたいといったIoT機器でLPWAの普及が急速に進んでいます。

第5回 LTEの回では触れませんでしたが、LTEを利用したLPWAもあり、LTEではないLPWAと大きく分けて2つのLPWAがあります。

docomo, au, Softbank, 楽天など通信キャリア回線のLTEを使用した“Licensed系” (Cellular系)のLTE-M、また、通信キャリア回線のLTEを使用しない“Unlicensed系”のSigfox、 LoRaWAN、 Wi-SUNなどのLPWAに大きく分類されます。

LPWAのおさらい

※注1
第5回 LTEの回で、日本国内のLTE Band使用状況を表で説明しましたが、このうち“Licensed系” (Cellular系)のLTE-M では主に下のBandが使用されています。
第5回に掲載の日本国内LTE Band使用状況の表もあわせてご参考ください。

【LTE-M 日本国内で使用する主要Band】

・docomo :B19(800MHz帯)、B1(2GHz帯)
・au :B18/26(800MHz帯)
・SoftBank :B8(900MHz帯)、B1(2GHz帯)

2.無線局と免許

では、“Licensed系”、“Unlicensed系”の違いにどのような背景があるのかを見てみましょう。

2.1.Licensed系

  • docomo, au, Softbank, 楽天といった通信キャリアは、LTE基地局を開設・運用するにあたって、電波法に基づき総務省の無線局免許を得ることが必要で、各社で使用できる周波数の割当を含め総務省が実施・管理しています。
  • この無線局免許はLPWAの領域に限らず、LTE、5Gは全て対象になります。
  • このため、 LTEを使用したLPWAは“Licensed系”, “Cellular系”のLPWAと分類されています。
  • 単体でインターネットに接続可能なのはこの“Licensed系”, “Cellular系”のLPWAのみです。

※補足
無線局の免許といっても、無線局を設置する通信キャリア各社が免許を必要とするものであり、LTE、5Gを利用する側の私たちユーザー側が免許を必要とするものではありません。

2.2.Unlicensed系

  • これに対し、無線局としての免許が不要な920MHz帯を利用したLPWAがあります。
    920MHz帯が1GHz(1,000MHz)よりもわずかに低い周波数帯であるためSub-GHz(サブギガ)と呼ばれてもいます。
  • 日本では、一般社団法人電波産業会(ARIB)のARIB STD-T108(920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備)という技術条件に適合することを前提として、無線免許を不要としており、「特定小電力無線局」と定めています。
  • このため、無線局免許が不要な920MHz帯を利用したLPWAは“Unlicensed系”のLPWAと分類されています。
  • なお、単体ではインターネットに接続できず、インターネットへ接続するためにはルーターやアクセスポイントが必要になります。

3.LPWA詳細

これまで見てきた内容を踏まえて、LPWAの種類についてあらためて整理し、各種LPWAを見ていきたいと思います。

LPWA詳細 Licensed LPWAとUnLicensed LPWAの比較

4.LPWA利用用途

それでは、LPWAはどのような用途で利用されるのか、代表的な事例をご紹介したいと思います。

4.1.スマートメータ

かつては検針員の方が電気/水道/ガスのメータを直接確認して使用量の確認・集計をしていましたが、昨今導入が進むスマートメータでLPWAの機能を搭載して使用した時間や使用量を遠隔で確認、集計、管理できるようになっています。
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4.2.IoTセンサ

人手不足にともなうIoT化で遠隔監視、検知、アラーム発生の利用が進んでいますが、LPWAはアラーム発出の手段としても使用されておりインフラ、環境、設備のモニタリング、異常検出を担うIoTセンサ、機器もLPWAが使用される代表的な事例と言えます。
アラーム発生
遠隔監視、検知

【その他LPWA使用事例】

自動販売機
自動販売機
スマートホーム
EV充電スタンド
スマートホームEV充電スタンド
環境・農水産業モニタリング
環境・農水産業モニタリング
IoT端末
IoT端末
トラッキング
フリートマネジメント
トラッキングフリートマネジメント

Telit 無線通信モジュール

  ME310M1-W1 ME310M1-W2 ME310M1-W3
Market Worldwide Worldwide Worldwide
LTE-M/NB-IoT Dual-mode
LTE-M/NB-IoT
Dual-mode
LTE-M/NB-IoT
Dual-mode
LTE-M/NB-IoT
4G Bands B1, B2, B3, B4, B5, B8, B8_US, B12, B13, B14, B18, B19, B20, B25, B26, B27, B28, B66, B85 B1, B2, B3, B4, B5, B8, B8_US, B12, B13, B14, B18, B19, B20, B25, B26, B27, B28, B66, B85 B1, B2, B3, B4, B5, B8, B8_US, B12, B13, B14, B18, B19, B20, B25, B26, B27, B28, B66, B85
Output Power LTE: 23 dBm
(Power Class 3)
LTE: 23 dBm
(Power Class 3)
LTE: 23 dBm
(Power Class 3)
GNSS Yes, non concurrent with cellular(GPS) Yes, non concurrent with cellular (GPS) Yes, concurrent with cellular
Dual frequency L1+L5
(GPS, GLONASS, Galileo, BeiDou, NavIC, QZSS, SBAS)
IoT AppZone - Yes -