無線通信基本講座 第2回 [初級編]近距離無線通信の種類

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目次

  1. 1.Bluetooth
    1. Bluetoothとその歴史
    2. Bluetooth ClassicとBLE(Bluetooth Low Energy)の違い
    3. Bluetooth パワークラスとは
  2. 2.Wi-Fi
    1. Wi-Fiとは
    2. Wi-Fiのメリットとデメリット
    3. Wi-Fiダイレクト

無線通信は現代社会の基盤を支える重要な技術で、その進化に伴い、無線通信の種類も多様化し、私たちの生活に欠かせない存在となっています。第2回では、BluetoothとWi-Fiという2つの主要な近距離無線通信技術に焦点を当て、それぞれの特徴、メリット、デメリットを詳しく見て行きましょう。

1.Bluetooth

Bluetoothとその歴史

周波数2.4GHz帯を使用した近距離無線通信技術の一種で、皆さんの身近にあるものではワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボード、ワイヤレススピーカー、ヘルスケアデバイスとスマホの連携などに利用されています。
また、MicrosoftやApple、Google等を含む3万6千以上の組織がBluetooth規格の標準化団体である「Bluetooth SIG(Special Interest Group)」を構成し、Bluetoothの規格を策定しています。

2010年にはBLE(Bluetooth Low Energy)という一般的なBluetoothよりもさらに低消費電力な技術が生まれ、各種センサーや体に身につける小型の電子機器、周囲に特定の信号を発信するビーコンなどで利用が進んでいます。


Bluetooth ClassicとBLE(Bluetooth Low Energy)の違い

Bluetooth ClassicとBLE(Bluetooth Low Energy)間に互換性は無く、それぞれの機器は直接通信することができません。BLEはBluetooth Classicよりもさらに低消費電力で、電池1つで数年間動作させる必要があるセンシングデバイスに使用されています。

Bluetooth パワークラスとは

Bluetoothは、どの程度の出力で電波を出すのかの違いによってクラス分けされています。これはBluetoothのバージョンの違いとは関係がなく、電波強度についての区分となります。現在日本では一般的に、Bluetooth対応機器の多くがClass 2対応となっています。

Power Class 送信出力 通信伝送距離
Class1 100mW(日本は50mWまで) ~約100m
Class1.5(BLE) 10mW ~数十m
Class2 2.5mW ~約10m
Class3 1mW ~約1m

2.Wi-Fi

Wi-Fiとは

昨今はパソコンやスマホ、タブレットだけでなく、テレビ、ゲーム機、プリンター、リモコンなど、様々な機器にWi-Fiが利用されており、Wi-Fiはネットワーク接続に対応した機器を無線(ワイヤレス)でLAN(Local Area Network)に接続する技術です。

LANとは住居や会社など限定されたエリア内において、機器同士をケーブルや無線で接続しデータのやりとりを行えるネットワークを指しますが、Wi-Fiが無線LANの標準規格として普及したことで「無線LAN=Wi-Fi」という認識が一般的に定着しています。

Bluetoothと同様に周波数2.4GHz帯を使用し、屋内では5GHzも使用可能となっています(日本では屋外で5GHz帯は使用不可)。なお、ドローンなど上空での使用は不可ですが、厳密には5GHz帯の内5.2GHz帯は条件付きで屋外使用可能で、5.6GHz帯も屋外使用可能となっています。

※“LAN”と”WAN”については、『無線通信 – (1)無線通信の種類』をご参考ください

開始 世代 新名称 規格名 最大通信速度 周波数
2024年 第7世代 Wi-Fi 7 IEEE 802.11be 46Gbps 2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯
2022年 第6世代 Wi-Fi 6E IEEE 802.11ax 9.6Gbps 2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯
2019年 第6世代 Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax 9.6Gbps 2.4GHz帯/5GHz帯
2013年 第5世代 Wi-Fi 5 IEEE 802.11ac 6.9Gbps 5GHz帯
2009年 第4世代 Wi-Fi 4 IEEE 802.11n 600Mbps 2.4GHz帯/5GHz帯

Wi-Fiのメリットとデメリット

Wi-Fiダイレクト

生活の中で、スマートフォンから直接プリンターに接続して印刷をしているケースがあるかと思います。

これは、スマートフォンとプリンターが1対1で、Wi-Fiで直接接続されていることで実現しているもので、これを「Wi-Fi Direct(ダイレクト)」といいます。

  用途
一般的なWi-Fi インターネット接続するための無線LANとして使用
Wi-Fi Direct Wi-Fi Direct対応の機器を1対1で接続して使用

[Wi-Fi 4]

WE310F5-I(チップアンテナ付)
WE310F5-P(チップアンテナ無し)
*外形:LGA

[Wi-Fi 6]

WE310K6P(チップアンテナ無し)
*外形:LGA, M.2

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